ボリビアのお人形さん



このお人形は友人からいただいた、ボリビアのお土産であります。
その友人が言うには、ボリビアでこの子を見つけた瞬間、
すぐさま「茉莉枝の顔が浮かんだ」とのこと。
きっちりと結ばれた女の子のかわいいみつあみと、
お人形さんのお顔(特にまつげ!)が私の描くイラストの中の子と、
どこか似ているからかしらんと思いつつ・・・。


聞くところによると、ボリビアの街角で売っているお人形さんたちはみな、
このお人形のように、赤ちゃんを抱っこしているのだそうです。
なんだかそれって、とてもかわいいですよね。


南米の特に子だくさんな地方では、こういったお人形さんたちは、
生まれてきた子供たちがみな元気で健やかに育ちますようにと、
人々の祈りを込められ、お守りのような役割りをはたすものとして、
たくさん作られているそうなのです。


私が、かわいいなあと思うのは、このお人形さんがしている、
「赤ちゃんを抱きしめている」という行為、であります。


人間は、愛しい人をぎゅっと抱きしめたり、逆に抱きしめられたりしますよね。
少なくとも私たちは、この世界に産み落とされたその瞬間、
誰かの腕の中で抱きしめられて目を覚ましたはず、なのです。


抱きしめるのは大切な家族や友人、恋人に限りません。
それは本だったり、ぬいぐるみだったり、(ひとによっては)抱き枕だったりすると思います。
とにかく愛しさを感じるものはなんであれ、ぎゅっとしたくなるものなのです。
でも、それは何ゆえに?


唐突ですが、そう考えたときふと頭に浮かんだのが、
むかし深夜に放映されていた「金髪先生(!)」という番組で
叫ぶ詩人の会ドリアン助川さん扮する「金髪先生」が講師役で、
毎週、生徒たち(他の出演者)にロックにまつわる講義をするという番組)、
そのある週の講義の中で、金髪先生がお話されていたことです。
それはだいたい、こういった内容のものだったと記憶しております。


「ぼくたちは、飛行機事故などで子供たちだけが助かったというケースを、よく耳にする。
そして、それは子供たちの体重が、大人たちに比べてとても軽かったからだという。
だけどぼくは体重の軽さだけが子供たちを救ったのではない、と思うのだ。
と、いうのは、
ぼくは、飛行機が落ちるとき、大人たちが小さな子供たちを抱きしめていたからではないか?
命の危険を感じたとき、大人たちはとっさに自分の愛しいものを守ろうと、
子供たちの小さな命を守ろうと、ぎゅっと抱きしめたから、だから子供たちは助かったのではないか?
と考えるからである。」


私は、このときの金髪先生のこのお話に、とてもとても共感いたしました。


金髪先生の意見に、
賛成の反対の反対なのだ!!!


ひとは大切なものを守るために、抱きしめる。


何かを抱きしめるとき、そこに負の感情は決して存在しないでせう。
だからこそ、このお人形さんを見ていると、とても心温かくなるのですね。
何かを愛しむココロや、優しさのぬくもりが、そこから感じられるからなのでせう。


小さな命を抱きしめる、女の子のお人形。


私もこのお人形さんみたいに、愛しいものをいつもぎゅっと抱きしめ守っていたい、
と思うのでした・・・。


いつになく、かわいいだけじゃない、感動的で、そしてロックなお話になりましたね。
今日の講義はこれまで!(←金髪先生風)