ハート涙(NUMBER (N)INE)


 


これわ茉莉枝の大事なお薬。
私がしょんぼり元気がない時に、処方していただいた銀色のすぺしゃるなカプセルです。


このカプセルはナンバーナインというお店のもので、
中のお薬はというと、
カプセルに閉じ込めるくらいですから、
そのままではたいそう飲みづらいであろう「ハート涙」のネックレスが入っています。


「ハート涙」のネックレスとは、その名のとおり、
ハート型の涙の真ん中から涙のしずくが一粒デザインされたネックレスなのです。


カプセルからこのネックレスを取り出し、
まじまじと眺めてみますところに、
この涙を流すハートってぇやつぁ見れば見るほど、
コレたいそう私の胸をぎゅううううううっとしめつけるのでありました。


ハート形モチーフのものといえば、
たいがいは赤かピンク色、もしくはパステルカラーで、
ふわふわぷりぷり桃尻みたいで(でへ)、
ぱんぱんにラブが詰まっていてとってもハッピーでパワーにあふれていて、
まるで悩みのひとつもなさそうに見えます。


それなのにこの「ハート涙」のネックレスときたら、
涙を流しているのです(だから「ハート涙」)。
さらに涙を流してるハートそのものも涙に見えるから、
いっそ全力で涙(だからやっぱり「ハート涙」)!
一滴だけこぼれてしまった涙の粒に効果音をつけるなら、
「ぐすん」かしらん。


この「ハート涙」はかなしい涙なのか。
うれしい涙なのか。
はたまたくやしい涙なのか。。。


ふつうに考えて、
ハート(幸せ)と涙(かなしい)は真逆な感情でしょう。
となればハートが涙するなんてこたあ、
これはモウ絶対わけありぢゃん!!
と、鼻息荒く考えてみたところ、
思い出したのが、以前どこかで聞いたおはなし。
そのおはなしを、もしもカタチにしたならば「ハート涙」になるんぢゃないかしらん?
と、私は思ったのです。


そのおはなしは多分こんなかんぢでした。


「喜怒哀楽」
すべての感情はベクトルは違えどもみなおなぢところから派生していて、
いまもしも君が死ぬほど悲しい(つらい)とかんぢるのなら、
死ぬほど嬉しい(ちょーハッピー!)という感情を有する権利をも持っている。
あと忘れた。


嗚呼!そうかあ・・・。と、ひとり納得。
すべての感情が生まれるところ。
・・・「はあと」。
ハートと涙は逆のものぢゃなくって、
いつでも一緒でおなぢもので、仲良しさんなのです。
きっとハートが涙するのは普通のことであって、
かなしい涙の反対側には必ずうれしい涙が存在するのだし、
さらにその涙はハートでハートが涙で、
俺がアイツでアイツが俺なのだとオモウのであります!!!
ならばこのカプセルは、
すべての感情を生み出し、すべての感情をやさしく包みこんでくれる
万能薬ですね!!


「ハート涙」のモチーフがとってもだいすきになったわたしは早速、
その日描いていた女の子のおりぼんに涙のしずくを一粒描き足したのでした。
「おりぼん涙」なんつって。(わちゃー!私ってば単純)


NUMBER (N)INE
http://www.numberniners.com/